昨年より「103万円の壁の引き上げ」がテレビで大きな話題となっていますね。
このニュースは、多くの方が注目しているのではないでしょうか？

時々、扶養内でパートされている方より、
財産を相続した場合に扶養状況に影響があるかという質問を受けます。

多くの財産を相続することによって、扶養を抜けないといけない？など。

やはり、突然大きな金額が手元に入ってくると不安に感じてしまうでしょう。

そこで今回は、「扶養」と「相続」の関係についてお伝えしてまいります。

結論からお話しすると、大きな財産を相続しても扶養を抜けることにはなりません。
多額の現金を相続しても、扶養（年収の壁）の計算には含まれないからです。
相続財産は給与所得の対象でもなく、扶養認定の際の収入としてカウントされません。

なお、生前贈与についても同様となります。
例えば、暦年贈与うの非課税枠である「年間110万円」を受け取ったとしても扶養（年収の壁）の計算には含まれないので、扶養を抜けることにはなりません。

そのため相続や贈与を受けたとしても、これまで通りパートを続けて問題ないです。

2025年より年収の壁は改正される予定となっておりますが、昨年まで年収の壁は以下の4つです。

①100万円の壁
→年収が100万円を超えると住民税の課税。

②103万円の壁
→年収が103万円を超えると所得税の課税。配偶者控除（38万円）が適用できなくなり、代わりに配偶者特別控除が適用となる。

③150万円の壁
→年収が150万円を超えると配偶者特別控除が満額（38万円）適用できなくなり、以降はパートタイム労働の収入によって徐々に減額。

④201万円の壁
→配偶者特別控除の対象では無くなる。

社会保険の関わる年収の壁は以下２つです。

①106万円の壁
→勤め先によって社会保険加入の対象となるとともに、健康保険・厚生年金保険の保険料の支払いが発生。具体的には「従業員51人以上の会社に勤めている」人は対象となる可能性が高いです。

②130万円の壁
→国民年金・国民健康保険の保険料の支払いが発生。

2025年は年収の壁の改正が予定されているため、年収の壁の種類については改めて把握しておくことが大切です。特にそれぞれの壁を超えて収入をえてしまった場合のデメリットは知っておくようにしましょう。