リスクと投資の関係
2024.8.23
近年、投資を始められる方が増えています。
一方で、お金を増やすことに対して、
「リスクがあるからやめておこう」と考える方も未だ多いのが現状。
リスクという言葉は、普段の会話では「危ないもの」や「避けるべきもの」だという意味合いで使います。
「ノーリスク」と言えば、「危なくないもの」とか「安全なもの」という印象を持ってしまっている人が多いです。
しかし、今後投資を行うのであれば、この考えは改めるべきです。
なぜなら、投資のプロの世界では、「リスク」という言葉を「危ないもの」や「避けるべきもの」という意味で使わないからです。リスクとは「変動率」のことを指します。
わかりやすくいうと「ブレ幅」です。
参考:著者/高橋慶行/『投資1年目の教科書』より
ハイリスク・ローリスクと言いますが、ブレ幅が大きいのがハイリスクで、ブレ幅が小さいのがローリスクです。ハイリスク・ハイリターンであれば、ブレ幅が大きい分だけ大きなリターンがあり得る。
ローリスク・ローリターンならブレ幅が小さい分だけリターンも小さくなるということ。
そして「ノーリスク」は、ブレ幅ゼロを意味します。
リターンは、ブレ幅から生まれるものですから、ノーリスクでリターンが得られることはあり得ません。
投資の世界ではノーリスクは、ノーリターン、すなわち「儲からない」という意味になります。
繰り返しとなりますが、リスクというのは「ブレ幅」のことです。
つまり価格が上限変動をするという意味であり、それ自体怖いものではありません。
トレードにおいては、価格の上下の変動こそが儲けを得るための源泉です。つまりリスクは、儲けの源泉。
どんなに凄腕のプロトレーダーがいたとしても、値動きが一切無い市場では1円も稼ぐことができません。
ですから投資で利益を上げるためには、リスクが必ず必要となります。
投資初心者がまず頭に置かなければいけないことは、リスクは避けるものではなく管理するものだということです。リスク管理とは、一方で大損を防ぎながら、一方でメリハリのあるトレードを続けていくことです。リスクを管理することで、大きな資産を作り上げることができるのです。
トレードの目的は儲けること、いわばリターンを得ることです。
リスクとリターンは表裏一体の関係であり、ハイリターンを求めれば裏にはハイリスクがあります。
あっという間に資金が倍増する投資方法は、あっという間に資金を失ってしまう投資法でもあるのです。
一方ローリスクすぎる投資ばかりだと、リターンもあまりに少なく、大切な時間と手間を使って投資をする意味がありません。
どのくらいのリスクを取るかというバランス感覚がとても大切です。
ちなみに株やFXとは異なり、「どのぐらいの成果が得られるか」が約束されている銀行預金や企業が発行する債券もあります。銀行への預金は銀行にお金を貸したことに、債券の購入は企業にお金を貸したことになります。銀行も企業もたとえ赤字でも、借りた人に期日までに利息を付けてお金を返さなければいけません。
一方、株やFXではリターンは約束されていません。リスクは必ず預金や債券より大きくなります。
しかし、預金や債券より大きなリターンが得られる可能性があります。
今の時代は、銀行預金や定期で自分のお金を増やそうと思っても、利率が小さいので、ほとんど儲かりません。それどころか、インフレによってお金の価値が減り続けていることから、銀行預金や銀行定期だけでは資産を減らし続けるということです。
自分でリスクを管理しながら、銀行預金等より大きなリターンを得ていくという考えを持つことが、資産形成という観点からはとても重要になります。
そのためにはリスクは避けるべきものではなく、管理するべきものだと理解することが大切です。