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NISA5年目の選択肢

2022.7.22

先日、お客様と色々なお話しをする中で、「一般NISAno非課税期間は5年間は知っているが、
5年経過すると、どんな選択肢があるかがわからない」ということがありました。

5年後、「その時の市況によって対応は異なる」で問題ないですが、
どんな選択肢があるかは必ず事前に知っておいた方が良いでしょう。

今回は、NISA5年目の選択肢について解説していきます。

一般NISAとは、毎年120万円までの投資が5年間非課税になる制度です。
年間120万円までなら、一度に120万円でも、分割して売買しても大丈夫です。

ただし、売買益や分配金が非課税になる期間は5年間と定められています。
5年が経過する時点で、資産をどうするのかの選択がやってきます。

購入から5年経って非課税期間が終了する際には、
「売却」「課税口座に移す」「ロールオーバー」の3つの選択肢から選ぶことになります。

では、それぞれどのような内容かをお伝えしていきましょう。

 

①【非課税期間終了前に売却】
非課税期間終了後は、通常の課税口座(一般口座もしくは特定口座)に移管されます。
移管時の価格は5年前の取得価格ではなく、非課税期間終了時の価格です。

もし通常の課税口座に移管する前に一度手仕舞って利益確定したい場合は、
非課税期間終了前に売却しても良いです。

非課税期間終了目前に含み損が生じている場合で、
さらに持ち続けたいときには、売却するのではなくロールオーバーすると良いでしょう。

 

②【課税口座に移す】
非課税メリットは無くなりますが、課税口座に移管して引き続き運用を続けることができます。
今はまだ売却のタイミングではないと考える場合は一度、
課税口座に移して様子を見るのも一つの手と考えられます。

先述したように移管時の価格は、5年前の取得価格ではなく、その時の価格です。
例えば、5年前に株価が50万円だったものが、5年後に70万円になっているとしましょう。
課税口座に移してさらに20万円値上がりしても、課税されるのはその20万円に対してです。

一方で、損しているときに課税口座に移すとどうなるでしょうか。
例えば、5年前に50万円だったものが、5年後に30万円に下落したとします。
課税口座に移すと、30万円が取得価格になります。
その後、40万円に値上がりすると、10万円の利益に対して税金がかかります。
元金の50万円は回復していないのにもかかわらず、税金がかかることには注意が必要です。

 

③【ロールオーバー】
ロールオーバーとは、その年のNISA枠を消費して、
過去に購入した商品の非課税期間を使った運用をさらに最長で5年継続する方法です。

先ほどNISAの上限額は120万円とお伝えしましたが、
ロールオーバーする場合は、120万円を超えていても全額NISAとしてロールオーバーが可能です。
例えば120万円で購入した株式が5年後に200万円になっていたとしても、ロールオーバーできます。

ただし、ロールオーバーにはデメリットもあります。
例えば、120万円が5年後に200万円になった株式をロールオーバーしたとします。
その後に値下がりして損失を出してしまうと、
当然、非課税のメリットを得られませんし、その年の非課税枠は残っていません。
NISAは損益通算できないので、「そのまま持ち続ける」というのが現実的な選択肢になるでしょう。
これならロールオーバーせずに、5年経過後に利益確定し、
「6年目の非課税枠は新たな銘柄の投資に使ったほうが良かった」ということにもなります。

自らの選択によって利益などが変わることは理解しておかないといけません。

 

【2024年には新NISAスタート】
ここまで一般NISAのロールオーバーについて説明してきましたが、
2024年以降は一般NISAが移行します。

新NISAは2階建ての仕組みになっています。
1階部分で購入できるのはつみたてNISAの対象商品で、
2階部分で購入できるのは従来の一般NISAの対象商品(一部ハイリスク商品を除く)です。
新NISA移行後は、まず1階部分を消費しないと2階部分が使えない制度設計となります。


※出典:財務省「NISA改正のイメージ」より

現在一般NISAを利用している人は、2024年には自動的に新NISAに移行することとなっています。
新NISAになってもロールオーバーの仕組みはありますが、
その場合には新NISAの非課税枠の2階部分(102万円)から消費し、
そこで収まらない金額を1階部分の非課税枠(20万円)を使いことになります。

2019年以降に一般NISAで買い付けた銘柄は、
自動的に新NISAにロールオーバーされることにも注意が必要です。

新NISAの仕組みはかなり複雑で分かりにくいです。
さらに新NISAの投資可能期間はいまのところ、
2024年〜2028年の5年間だけ(非課税期間はその5年後の2032年まで)です。
その後のことは未定となっています。
政府が掲げる「資産所得倍増プラン」でNISAやiDeCoの拡充が検討されるようなので、
仕組みの簡素化と恒久化を期待したいです。

 

今回は、NISAの選択肢や新NISAについてお伝えしました。
内容は複雑になっている部分もあり、一度で理解が追いつかないこともあると思います。
大切なことは、何度も学び知識に変えることです。

「知らないばかりに損をしてしまった」を無くし、
あらゆる状況の中でも「良し悪し」の判断できる状態を作りましょう!

 

 

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