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人のためにお金を使うと幸福感が増す

2023.3.16

今は、卒業シーズンですね!
3月に卒業される方々、おめでとうございます。
学生の方は、コロナの制限等で思う存分やりたいことができず、
辛い思いをされた方もいらっしゃると思います。

ですが、人生はこれから。
数年経てばきっと、コロナで大変だったことが懐かしい思い出となるはず。
まだまだ先は長いので、ここからやりたいことを全力でやっていきましょう!

 

今回は、茂木健一郎氏の著作「脳は若返る」より、
「人のためにお金を使うと幸福感が増す」についてお伝えします。

 

人のためにお金を使うと幸福感が増すことは、実際に科学的に証明されており、
世界中で数多くの研究が行われております。
一番有名なのは、カナダのブリティッシュコロンビア大学の心理学者であるエリザベス・ダンさんが共同研究者と実施した研究で、アメリカの有名科学誌『サイエンス』で発表されました。
その研究内容とは、お金を自分のために使う場合と他人や社会のために使う場合の幸福度を計測する3つの実験です。

最初の実験では、約600人のアメリカ人を対象としてお金を自分のために使った後と、
他人のために使った後の幸福度を5段階で評価してもらった結果、
他人のために使ったほうが、幸福度は高いという結果が出たのです。

2つ目の実験では、ビジネスパーソンのボーナスの使い道を調査したところ、
他人や社会のために使った額が大きい人ほど幸福度も高いことがわかりました。

3つ目の実験では、カナダ・バンクーバーの大学生に5ドルまたは20ドルを手渡し、
その日のうちに使うように指示した結果、他人のために使ったグループの幸福度は、
自分のために使ったグループを上回る結果となりました。

これらの実験の結果によると、他人のためにより多くのお金を使ったほうが、
幸福度を示す指数が高いことが立証されたのです。

 

では、なぜ人のためにお金を使うと幸福度は増すのでしょうか?

 

これは、脳科学的にも実証されていることです。

例えば、ドイツのリューベック大学が行った研究では、チャリティや寄付を行うことで快感を覚える脳の部位が、幸福感に関連する別の部位の反応を誘発したことがMRIで明らかとなりました。
これにより、人のためにお金を使うと脳の報酬系が活性化するという科学的根拠が証明されたわけです。

ではなぜ、自分ではなく他人や社会のためにお金を使うと脳が活性化されるのでしょうか。

それは、人間は地球上で最も社会的な動物であるからに他ならないからです。
そう考えれば、人や社会のためにお金を使うという行為は、意外にもクリエイティブなことなのです。

 

人間の脳には、利他的な回路が存在します。
脳には快感や幸福感によって神経伝達物質であるドーパミンが分泌されます。
普段は「物事がうまくいった」「食事が美味しかった」など、自分ごとにドーパミンは分泌されるのですが、「社会や人に役立つことができた」という時に全く同じようにドーパミンが分泌されます。
つまり、他人や社会のためにお金を使うということも利他的な回路、つまりはドーパミンが分泌されることでいつまでも若々しい脳を手に入れることができるのです。

 


出典:茂木健一郎著「脳を活かす勉強法」(PHP研究所)より

 

 

他人や社会のためにお金を使うことは、とても良いことです。
そして何よりも大切なことは、他人にした行為に対する見返りを求めないことです。
見返りを求めてしまうと、感謝されなかった時に「無駄だったのか」と思ってしまうからです。

感謝されるかどうかは分からないけれど、自分が社会や相手に対して尽くしているということ自体が楽しいと思えることが、利他の回路を活性化させるための秘訣です。

相手にしたことは、形を変えてでも返ってくるものです。
見返りを求めず、相手のためにできることを始めてみましょう!

 

 

 

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