インフレ手当の支給状況
2022.12.1
今年の円の価値は大きく変動しましたね。
2022年1月1日は112.88円でしたが、一時期150円を突破したことは驚きでした。
その後、11月後半から1ドル=130円台に落ち着きを見せています。
総務省発表の9月の消費者物価指数では、2020年の総合指数を100とすると、今年は103.1に上昇しました。10月には6700品目も値上がりしたので、当然のことですね。
驚きなことは、これだけ物価が上昇している一方で、賃金は上がっていないということです。
これでは、生活がますます苦しくなっていく一方ですね。
こうしたモノのさまざまな値上げに対応するため、
従業員の生活支援を目的とした「インフレ手当」を支給する企業が出てきました!
「インフレ手当」は、急激な物価の高騰で社員の生活が困窮しないようにするため、
社員のモチベーションアップ、人材定着を目的として支給された手当です。
帝国データバンクのアンケートによると、「インフレ手当」を支給した企業は全体の6.6%でした。
「支給を予定している」「支給していないが検討中」を含めると26.4%となり、
4分の1の企業がインフレ手当の支給や検討していることが分かりました。
ただ、その反面、支給予定のない企業は63.7%でした。
ただでさえ自社の業績が悪化している中、従業員に対し手当を支給する余裕がないという声もあるようです。
実際、「インフレ手当」を支給した企業の支給方法は、一時金が66.6%、月額手当が36.2%でした。
一時金の支給で最も多いのは「1万円〜3万円未満」(27.9%)、
その次に「3万円〜5万円未満」と「5万円〜10万円未満」(各21.9%)となりました。
さらに、10万円以上を支給する企業は15%を超えていたそうです。
新聞に載っていましたが、サイボウズは最高15万円を支給しています。
三菱自動車は12月に正社員10万円、非正規雇用社員に7万円支給されるようです。
支給額が高いのは、やはり大手企業ですね。
月額手当では「3000円〜5000円未満」と「5000円〜1万円未満」(各30.3%)が最も多く、
1万円未満が9割を占めているとのことです。
平均支給額は、一時金が5万3700円、月額手当が6500円となっています。
一時的なインフレ手当で、物価高による消費者の痛みを和らげる効果は小さいと思いますが、
間違いなく社員の活力に繋がりますので、多くの企業で取り入れていただきたいです。