扶養が外れてお得になる年収とは?
2024.7.10
アルバイト・パートなどで家計を支える場合、世帯収入の面で扶養から外れるべきか悩む方は多いと思います。
将来的に扶養から外れる場合は、年収の壁を考慮する必要があります。
今回は、扶養から外れる場合と年収の壁についてお伝えしてまいります。
国民が納めるべき税金や加入すべき社会保険は当人の年収によって異なります。
また、被扶養者の年収次第で扶養控除が受けられるため、節税につながります。
年収の壁とは税金や社会保険料の支払い義務が発生するボーダーラインのことです。
税金や保険料の支払いなどによって収入が減るため、年収の壁の超え方次第では世帯収入が下がる可能性があります。
あえて年収を下げた方が得をするケースも少なくありません。
扶養から外れるべきか考慮するためにも、年収の壁を超えることで発生する税金や保険について理解しておきましょう。
▼年収の壁
『100万円の壁』
年収が100万円を超えると、住民税が課税されます。
『103万円の壁』
年収が103万円を超えると、所得税が課税されます。
所得税額は年収に応じて決まるため、年収が高くなるにつれて所得税も高くなります。
年収の壁として一般的に認識されているのが103万円、パートで働く被扶養者は年収103万円以内に留めるケースが多いです。
『106万円の壁』
年収が106万円を超えた場合は厚生年金保険や健康保険などの社会保険に加入する必要があります。
つまり、毎月の給与から社会保険料が差し引かれます。
ただし、年収106万円で社会保険に加入するには勤務先の従業員数や1週間の労働時間などに条件があるため、必ずしも社会保険に加入するとは限りません。
『130万円の壁』
年収が130万円を超えると、106万円の壁にあった条件に関係なく社会保険に加入しなければいけません。
厚生年金保険料と健康保険料を支払う必要があるため、大きく手取りが下がります。
年収がわずかに130万円を超えるようであれば、世帯収入として損をする可能性が出てきます。
大幅な年収の増加を目指すか、130万円を超えないように勤務時間などを調整することが重要です。
『150万円の壁』
年収150万円から、年収が上がるごとに扶養者特別控除を受けられる額が減ります。
年収150万円までであれば配偶者特別控除は満額で控除されます。
年収150万円を超えると扶養者が支払う税金が増加するため、世帯における収入が減少する可能性があります。
『201万円の壁』
年収150万円から年収に合わせて配偶者特別控除の額が減りますが、201万円を超えると控除額が0になります。つまり、配偶者が受けられる節税効果が無くなるということです。
ちなみに、国税庁によれば扶養者である納税者の年収が1000万円を超えている場合は被扶養者の年収に関係なく配偶者特別控除を受けられないため、150万円と201万円の年収の壁を考慮する必要がありません。
▼扶養から外れてお得になる年収
年収103万円から所得税は発生するものの、所得税の増加を考慮しても基本的には年収が上がれば世帯収入も上がります。しかし、社会保険料を納める必要がある130万円の壁は考慮すべきです。
社会保険料は自治体によって異なりますが、一般的には年間で30万円程度です。
その分だけ年間の収入が減ると考えると、大きな分かれ目だと言えるでしょう。
年収140万円など、わずかに130万円の壁を超えるようであれば、あえて収入を抑えた方がお得でしょう。
扶養から外れるのであれば年収150〜160万円ほど、配偶者特別控除も考慮すると200万円以上を目指すとお得になる可能性があります。
もちろん、配偶者特別控除による節税効果は無くなりますが、それ以上に手取りが増えます。
年収の壁を大きく超えて稼ぐことができる場合、扶養から外れても手取りが増えるためお得になる可能性があると言えます。
特に、社会保険料の支払い義務が発生する130万円の壁はひとつの分かれ目となるでしょう。
これを目安として、扶養について考慮してみてください。