年金にかかる「税金」とは?
2024.9.6
定年後、年金で生活を考えている方がほとんどだと思います。
年金は、老後の主な収入源となりますが、税金や社会保険料が源泉徴収されることで手取り額が減ってしまうことはご存知でしょうか?
ねんきん定期便やねんきんネットで将来の受給額を知ることは可能ですが、
老後生活の計画を立てるうえでは手取りベースで考えることが重要となります。
そのため、年金にかかる税金については知っておいて損はありません。
今回は、年金にかかる税金についてお伝えしてまいります。
◎年金にかかる税金とは?
国民年金、厚生年金、公務員の共済年金など、一定の年齢を迎えてから受け取ることができる年金(老齢年金)には、所得税と住民税がかかってきます。
ただし、一定の年金額を超えると課税対象となります。
・65歳未満:108万円以上
・65歳以上:158万円以上
これらの税金は、原則として年金支払い時に源泉徴収(住民税の場合は特別徴収)されます。
ですが、徴収されるのは年金額(徴収前)が以下の場合のため、なかには税金が差し引かれずそのまま支払われる人もいます。
・65歳未満:所得税の源泉徴収対象 / 月額9万円以上
・65歳以上:所得税の源泉徴収対象 / 月額13万5000円以上,
住民税の特別徴収対象 / 月額18万円以上
では、源泉徴収は額はどのように計算されるのでしょうか?
『源泉徴収額の計算式』
源泉徴収額=(年金支払額ー社会保険料ー各種控除)×5.105%
社会保険料は、年金から天引きされている社会保険料の額で、各種控除には公的年金等控除や基礎控除、配偶者控除などがあります。
『各種控除一覧』
・公的年金等控除
・基礎控除
・扶養控除
・配偶者(特別)控除
・寡婦控除、ひとり親控除
・障害者控除
尚、上記計算式で用いる公的年金等控除および基礎控除の金額には注意が必要となります。
なぜなら所得税法において本来の公的年金等控除は、年金受給者の年齢および受給額に応じた速算表を用いるからです。
また基礎控除は一律48万円ですが、年金からの源泉徴収額の計算においては、これら2つの控除を合わせて額が以下の式で計算されます。
・1ヶ月の年金支払額×25%+6万5000円(最低額)
算出された金額が65歳未満の場合は9万円、65歳以上の場合は13万5000円に満たなければ源泉徴収されなくなります。また、上記所得控除のうち公的年金等控除、基礎控除以外の控除を受けるには、年金事務所へ「公的年金等の受給者の扶養親族等申請書」を提出しておく必要があるため、該当する方は必ず注意しなければいけません。
また税金以外に年金から差し引かれるものがあります。
年金月額が18万円以上の人は、原則として年金支払い時に「介護保険料」と「国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)」が差し引かれます。
税金(所得税・住民税)にあわせて、これらの保険料も差し引かれることで手取り額はさらに減少します。
老後生活の計画をする場合は、年金の税金を確認し、年金の手取り額を考慮することが大切です。