先物取引について
2023.6.6
最近、色々な方と相談する中で、
「先物取引はなんとなく分かるが、あまり詳しく分からない」
というお声を複数の方からいただきました。
そこで今回は、「先物取引」についてお伝えしてまいります。
先物取引とは、将来の売り買いについて現時点で約束する取引のことです。
先物取引のイメージとしてお伝えすると・・・
例えば、あるジュエリーショップに10万円のダイヤモンドの指輪があったとします。
A子さんは、来年のボーナスが入ったら買おうと決意しました。
ただし、来年も価格が変わらず10万円で買えるかは分かりません。
ダイヤモンドは価格が変動しているため、1年後には価格が上がってしまう可能性があるからです。
そこでA子さんはジュエリーショップで1年後、この指輪を10万円で買うことを予約しました。
この時にこの指輪の価格は10万円と決まってしまうので、値上がりの心配はなくなります。
そして、1年後・・・
パターン① 12万円に値上がりしていた場合
指輪は値上がりしていましたが、1年前にこの指輪を10万円で買う約束をしていたので、
12万円-10万円=2万円で、店頭価格より2万円安く買うことができました。
パターン② 8万円に値下がりしていた場合
指輪は値下がりし、店頭価格8万円で買えるようになっていました。
しかし、1年前に10万円で買う約束をしていたので、
8万円-10万円=-2万円で、店頭価格より2万円多く支払わなければならなくなりました。
これを金融市場で説明すると、パターン①(値上がりしていた場合)では、10万円で買ったものをすぐに売った場合、12万円で売れたので2万円の利益になります。
一方、パターン②(値下がりしていた場合)では、10万円で買ったものを8万円で売ることになるため、2万円の損失となります。
実際、金融市場では、日経平均株価や国債、ゴールド、穀物、原油など様々なものが先物取引で扱われております。
また、ジュエリーショップからすれば、来年には価格が下がってしまうこともあるため、今10万円でダイヤモンドの指輪を売ることによって、一年後の価格下落リスクを回避したことになります。
先物取引はデリバティブ取引の一種であり、個人投資家がこの取引をするには、相応の知識や経験が必須です。