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「現状把握」と「資産の見える化」

2023.6.14

みなさんは、今後どのような人生を過ごしていきたいですか?

あなたが人生の設計図を描くとき、どのような出来事があるのか、お金はどれくらい必要になるのかを考えることになります。「お金の不安がない老後」を考える場合、様々な想定を資産面から裏付ける「ライフプラン・シミュレーション」が必須です。

家族構成や加齢とともに発生する子供の進学などのイベントと費用を時系列にまとめたものが「ライフイベント表」です。

各種統計で平均的なデータは知っていても、家庭の状況はそれぞれ異なります。
そのため、自分だけの「キャッシュフロー表」(年間収支を表にしたもの)と「ライフイベント表」を作成し、資産残高がどのように推移していくのか一目で分かりやすくしておけば、計画的な資産形成に役立つことになります。


出典:日本FP協会「キャッシュフロー表」より

ライフプランニングを端的に表せば、将来にわたる収入と収支、貯蓄、ライフイベントを「見える化」することであると言えます。ステップとしては、まず「実現したいこと」をライフイベント表に書き出すことから始めます。「40歳の時、子供を私立中学校に進学させたい」「53歳で車を買い替えたい」といった目標や夢を記し、家族の年齢やライフイベントにかかる費用を付記していきます。
ライフイベントを設定することで目標となる貯蓄額を把握することができます。

次に、将来の収支をまとめた「キャッシュフロー表」を作成します。
これはライフイベントという設計図を裏付ける収支計画ということになります。
ポイントは税金や社会保険料などを差し引いた「手取り収入」(可処分所得)で作成し、給与や資産運用の増減などは変動率で設定することです。自営業やフリーランスの人は事業収入のうち生活費、貯蓄に回せる額を記入すると良いでしょう。

キャッシュフロー表には「家族構成と年齢」「ライフイベント」「変動率」「収入」「支出」「年間収支」「貯蓄残高」を年ごとに記入していきます。収入欄には「給与収入」「その他の収入」「一時的な収入」を設け、支出欄は「生活費」「住居費」「教育費」「保険料」「その他の支出」「一時的な支出」と分けておけば、これまで振り返ったり、将来を考えたりする際にわかりやすくなります。

ライフイベント表に記入した「出産」や「子供の入学」「子供の結婚」「住宅の購入」「マイカーの購入」「マイホームのリフォーム」「旅行」などを盛り込み、共働き夫婦の場合はそれぞれの収入に分けて記入します。出産に伴い育児休業を取得する場合は、その際の収入源も想定しておきましょう。
ライフプラン関連の支出は「一時的な支出」、レジャー費などは「その他の支出」として書きます。

キャッシュフロー表が完成すれば、例えば夫婦が30歳で10年後にマイホームを購入したいという目標がある場合、その時までに資金は足りているか否かがすぐに分かります。不足している場合は、資産運用にいくら割けば達成できそうなのか、あるいは妻がパートで働く、無駄な支出を削る、マイホームより安いものに変更するといった検討をしなければいけません。

夢や目標への設計図となる「ライフイベント表」と、それを裏付ける「キャッシュフロー表」を作成することで将来の資金計画を立てることができます。

ちなみに、欧米では、家系につき「弁護士」「医者」「ファイナンシャルアドバイザー」の3人のアドバイザーをつけることが主流です。この「ファイナンシャルアドバイザー」は、家系の資産把握として3ヶ月毎にライフプランシートを作成しています。常に「実現したいこと」と今のお金の流れにギャップがないかを確認しているからこそ、将来のお金の不安が解消されているのです。

日本では、「ファイナンシャルアドバイザー」が家系を担当するということは主流ではないため、まずは自身で「キャッシュフロー表」「ライフイベント表」を作成してみてください。

きっと、たくさん気づくことがあるでしょう。

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