リタイア世代の何%が不労所得をつくっている?
2022.9.18
私たちが、リタイア後を考えたとき、特に気になるのが「老後資金」ではないでしょうか。
20代でつみたてNISAをはじめる方が増加していることをみると、
世代を問わず「老後資金」に不安を感じていることが分かります。
多くの人が漠然とした「年金不安」を持つ中で、
将来に向けたお金の準備を早めに意識する機会も増えているはずです。
数年前から話題となっているFIREとまで行かなくとも、
何らかの不労所得が継続的に入ってくれれば心強いですね。
今回は、リタイア世代(60歳代以上)の不労所得事情を内閣府の資料をもとにお伝えしてまいります。
【不労所得とは?】
不労所得とは、「働かないで得る所得」のことです。
反対に、私たちが日頃から就労によって得ている給与は「勤労所得」です。
不労所得の身近な例では、預貯金の利息、株の配当、土地や住宅の賃貸料などの財産所得があります。
リタイア後も継続的な収入源を保つために、不動産や株式などへの投資を行なっている方も多いです。
株式、投資信託、債券、不動産など、資産にはさまざまな形があります。
そして、資産運用を行うためには、ある程度の資金が必要となります。
さらにいうと、これらの資産を上手に組み合わせながら運用することで、
よりFIREの実現に近づく可能性が高くなるでしょう。
【不労所得がある60歳以上は何割?】
内閣府の「令和元年(2019)度高齢者の経済生活に関する調査結果」をもとに、
不労所得事情をみてみると・・・
◉仕事による収入 41.0%
◉公的年金、恩給 87.3%
◉公的年金、恩給以外の社会保障給付金(生活保護等) 1.1%
◉企業年金、個人年金 16.5%
☆財産からの収入(利子・配当金・家賃・地代等) 8.4%
◉子供からの仕送り・援助 2.2%
財産からの収入、つまり配当金や家賃収入などの不労所得があるの全体の8.4%であり、
全体の1割未満という結果です。
【不労所得がある人の就労状況】
不労所得がある人の割合を就労状況別にみてみると・・・
◉自営業主・個人事業主・フリーランス 13.4%
◉正規の社員・職員・従業員 3.3%
◉パート・アルバイト 6.7%
◉契約社員・嘱託社員 2.9%
◉会社または団体の役員 21.6%
◉収入のある仕事はしていない 8.3%
◉その他 43.8%
最も多かったのは「会社または団体の役員」(21.6%)です。
また、全体の47.9%が仕事を持っていると回答。
何らかの事業所得や勤労所得で得ていることが考えられます。
【不労所得がある人の、ひと月の収入とは?】
上記で触れた、事業所得や勤労所得は、ひと月どれくらいかというと・・・
◉5万円未満 7.7%
◉5万〜10万円未満 4.1%
◉10万〜20万円未満 3.2%
◉20万〜30万円未満 6.5%
◉30万〜40万円未満 16.6%
◉40万〜60万円未満 22.7%
◉60万円以上. 36.4%
(※配偶者がいる場合は、夫婦の毎月の収入)
財産からの所得(不労所得)がある人の割合は、月の収入が30万円を超えると大幅に上がっています。
もちろん、相続や贈与で受け取った不動産などから不労所得を得ている人もいるでしょう。
とはいえ、この割合を見る限り、不労所得を得る人の一定数は、働いて得た収入で、
その基盤をつくっていることが推測できそうです。
【目指すべきは年金だけに頼らない暮らし】
現役世代の場合は、住宅ローンや教育費といった出費が家計を圧迫している世帯が多いと思います。
老後資金の準備が後回しになるのも致し方がないでしょう。
ですが、ローンを払い終わり、子供たちが独立した頃には、リタイア後の生活が目前に迫っています。
数千万以上と言われる「老後資金」は、すぐに準備しきれるものではありません。
年数をかけて、少しずつでも預貯金を別の資産に変えることを続けることで老後資金は準備できます。
大事なことは、「預貯金だけ」の状態をつくらないことです。
特に預貯金だけでは、年々資産価値が目減りするからです。
不労所得をつくることができれば、人生の選択肢が増えることに繋がります。