60代で働くのは当たり前?
2022.9.22
総務省が2022年9月18日に公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、
高齢者人口は3627万人、総人口に占める割合は29.1%と過去最高になりました。
日本人は今や3人に一人が高齢者になり、2040年には4割に近づくと推計されてます。
出典:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー」より
人口だけでなく、高齢者就業者も過去最多を更新している日本。
日本の人口ピラミッドは、年数が経つにつれて、高齢者数が多い逆三角形となりつつあります。
今後も、高齢者就業者数は増えていく可能性が非常に高いです。
出典:総務省統計局「人口推移2021年(令和3年)10月1日現在 結果の要約」より
今回は、高齢者の人口と就業率についてお伝えしてまいります。
【高齢者人口が世界一位の国は日本】
2022年の高齢者総人口に占める割合を比較すると、日本(29.1%)は世界一位となりました。
(人口10万以上の200の国及び地域中)
出典:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー」より
日本に次いで、イタリア、フィンランドなどとなっており、
10位までは2割を超えるものの、日本は他と比べて特に高齢者人口が多いとわかります。
続いて「65歳〜74歳と75歳以上」に分けた2022年の高齢者人口の割合を見ていきます。
出典:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー」より
日本は「65歳〜74歳と75歳以上」ともに世界で最も多く、
特に75歳以上は2位のイタリアに3%以上の差をつけています。
世界的に高齢者人口は増えていますが、特に日本は高い水準で今後も推移していくと推計されています。
【高齢就業者は過去最多に】
2021年の高齢者の就業率は過去最多となりました。
出典:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー」より
高齢就業者数の対前年増減を見ると、2012年に「団塊の世代」が65歳となり始めたことにより、
2013年から2016年を中心に、65歳〜69歳で増加しました。
また2017年以降は「団塊の世代が」70歳となり始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。
【60歳代後半では男性の3人に2人が就業している】
出典:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者ー「敬老の日」にちなんでー」より
2021年に65歳〜69歳全体の就業率は初めて50パーセントを超え、
70歳以上も18.1%と2割に近づきつつあります。
男女別で見ると、65歳〜69歳の男性は60.4%、女性は40.9%が就業しており、
特に男性は60歳代後半で働くことが「普通」と言える時代となりました。
2011年には65歳〜69歳全体の就業率で36.2%、65歳〜69歳男性で46.3%と、
働く60歳代後半は一定数いるものの、「普通」と言えるほどではなかったです。
ここでわかることは、たった10年間で高齢者の仕事の認識が大きく変化しているということです。
少子高齢化、70歳までの就業機会の確保の努力義務、年金受給額の減少、退職金の撤廃、
止まらない物価高、無くなる職業など、これからさらに生きづらくなるのが日本です。
今回、日本の高齢者就業者の現状をみて、どう感じたでしょうか。
「仕方ない」「国全体が高齢者でも就業することにシフトしているだけ」などでしょうか?
好きで働く分には良いと思いますが、全員がそうではありません。
自分のやりたいことや成し遂げたいことがある方は、
この現状を見て何をしなければいけないかが見えてくるはずです。
「人生の時間は有限」
人生を全力で楽しむために、やらないといけないことを考えることも大切です。