15種類の所得控除
2022.12.26
会社員の方であれば、12月は年末調整や源泉徴収票に触れる時期ですね。
みなさんは、渡された源泉徴収票はきちんと確認されておりますでしょうか。
今日は、15種類の所得控除についてお伝えしてまいります。
所得控除の有無で大きく影響することはご存知でしょうか?
例えば、税率が10%だとします。
所得が20万円の場合、控除が全くない方は20万円そのまま税金がかかります。
その10%ですので、2万円の税金を支払うことになります。
一方で、同じ20万円の所得をもらっていても5万円の控除がある方は15万円に対する10%となるので、
税金は1万5000円です。こうして支払う税金が大きく異なってきます。
所得税の控除を認められているものを所得控除といい、15種類も存在します。
1.雑損控除
2.医療費控除
3.社会保険料控除
4.小規模企業共済等掛金控除
5.生命保険料控除
6.地震保険料控除
7.寄付金控除
8.障害者控除
9.寡婦控除
10.ひとり親控除
11.勤労学生控除
12.配偶者控除
13.配偶者特別控除
14.扶養控除
15.基礎控除
所得控除は、これだけあります。
これだけあると、馴染みのものもあればそうでないものもあるでしょう。
いくつか簡単に説明します。
1.の雑損控除とは災害、盗難などによって被害を被った際に認められるものです。
生活に欠かせない家屋などが風水害、地震、火災、盗難、横領などの損害に加えて、
災害の時のやむを得ない支出も認められます。
2.の医療費控除は多くの方が経験されるため、ご存知の方が多いと思います。
1年間に医療機関の窓口などで、支払った医療費などの合計が10万円以上の場合に超えた部分に認められるものです。(所得金額が200万円以下の場合、所得の5%以上が控除の金額として認められる)
例えば、自分・子供の病気や怪我で老いさyさんのまどぐちなどで、年間21万円支払っていたら、
10万円を超える「11万円」が医療費控除として認められるということです。
3.の社会保険料控除は、サラリーマンなら厚生年金保険料や雇用保険料、健康保険など。
自営業者などは国民年金の掛け金や国民健康保険料などです。保険料はサラリーマンなら会社の給与から天引きされ、税金の計算もしてくれます。自営業者なら、自分で確定申告を行います。
4.小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済や個人型確定拠出年金iDeCoなどの掛け金で受けられる所得控除のことです。
5.生命保険料控除は、民間の生命保険料の保険料を支払った場合に認められるものです。
6.地震保険料控除は、マイホーム等で地震保険料に加入し、保険料を支払った場合のもの。
7.寄付金控除は、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄付金」を支出した場合に受けることができるもので、『ふるさと納税』などは、この所得控除でお得になります。
8.〜14.は、家族に関するものとなります。どのように家族を養っているかによって所得控除が認められます。
15.の基礎控除は、税金を納める誰にでも適用されるもので、年収2400万円以下なら一律48万円です。
また、基礎控除の所得控除以外に、サラリーマンやアルバイトなど、給与をもらって働いている人には他に給与所得控除というものがあります。会社を経営している人や、フリーランスの人が喫茶店で打ち合わせをしたり、仕事で会食をした時、書店で本を買った時に「領収書をください」と言っているのを聞いたことがあるでしょう。会社に勤めている人も、会社に経費を請求するために領収書をもらったことがあると思います。これらは、税金を減らす必要経費となるのです。
事業所得のある人(法人)は仕事をするのに必要となった経費を控除することが認められているので、
その支払いを証明するために領収書をもらっています。
経費が多くなれば、それだけ支払う税金が減っていくというわけです。
日本には約3000万人も会社員がいるといわれており、
給与所得者全員にも必要経費を細かく認めていくと、税務作業は大変なことになってしまいます。
ですから、原則として給与所得者には、そのよな経費を控除することは認めない代わりに、
給与に応じて自動的に控除金額を決める方法を取っているのです。その金額は最低55万円です。
この55万円と基礎控除の48万円で合計103万円となります。
日本では、この103万円までの所得はなかったことになるので、
所得税は払う必要はなく、住民税もかからないこととなります。
このような中身の部分を知っておくだけでも、何かに役立つかもしれません。
控除はとても重要なので、ぜひ学校の教育で教えるようにしてほしいものです。
控除を理解することで、損することを無くすことができるのではないでしょうか?