米アップルの普通預金「金利4.15%」
2023.4.27
4月17日、米アップルが米国で提供している「Apple Card」の利用者向けに、
普通預金口座のサービスを始めることについて発表しました。
その金利は、年率「4.15%」となっております。
全米の貯蓄口座の平均金利が0.3%であるため、その10倍以上の金利です。
日本の貯蓄口座の金利は0.001%です・・・。
そもそも「Apple Card」とは、アップルが2019年3月に米国で発表したクレジットカードで、
金融大手のゴールドマン・サックスと組んで提供しているものです。
特徴としてはiPhoneとApple Payに最適化されており、申し込みや発行、利用明細の確認等がiPhone内で完結します。Apple Payで利用すると2%の現金キャッシュバックも受けられます。
その「Apple Card」の利用者向けに新たに始めるのが普通預金口座サービスです。
中身としては、ゴールドマン・サックス銀行の支店に口座がつくられるとのことから、
電子マネーなどではなく、預金保険の対象となる正規の銀行口座といえます。
さらに、米国で高い金利を得るには最低口座残高などの条件が課せられるものがありますが、
アップルの普通預金ではそのような条件がないことも魅力とされています。
米アップルの戦略としては、このように高い利率の普通預金口座サービスを提供することで、
既存iPhoneユーザーの利便性向上に直結し、囲い込みを狙うことでしょう。
現在、アメリカでは預金金利が二極化しています。
JPモルガンやバンク・オブ・アメリカなどのメガバンクの預金金利は0.01%ですが、地方銀行やネット銀行などの小規模な銀行は4%代の高い利金利を設定しているのです。
この二極化している原因は、複数の米銀行の破綻を受け、小規模な銀行からメガバンクへ預金流出が加速したことです。そのため、メガバンクには預金が十分にあり、無理に金利を引き上げる必要がなかった一方で、小規模な銀行は高い金利で顧客を集めようとしていたという構図がありました。
しかし、最近はメガバンクからも預金が流出し、それがMMFに流れています。
MMFとは、国債などの債権で運用される、比較的安全性の高い「公社債投資信託」のことで、足元では4%以上の金利がつきます。
日本から見ればかなりの高金利に感じるところですが、昨年来の利上げにより政策金利が「4.75〜5.00%」に達しているため、それほど珍しいものではなく驚く数字ではありません。
米アップルの新サービスが日本で話題になっているのは、それだけ日本の銀行の預金金利が低すぎることの裏返しですね。
長く続いたゼロ金利政策で、お金を預け入れるメリットがない状況に慣れきった日本人からすれば、
この「Apple Card」の上陸を待望する声が上がるのも当然だと思います。
「Apple」のように身近に感じる会社から、お金の流れや何が起きているかを学ぶことも大切です。