最低限身に付けておくべき金融リテラシーとは?
2023.7.13
近年では「金融リテラシー」という言葉を、様々な場面で聞くことが増えてきました。
金融リテラシーは、社会の中で経済的に自立し、安定した生活を送るために欠かせない知識と言えるでしょう。
そもそも金融リテラシーとは「お金やお金の流れに関する知識や判断力」のことを指します。
「金融」と聞くと、投資・資産運用・ローン等をイメージする方も多いと思いますが、それだけでなく、家計管理やライフプラン設計、税金や社会保険料といったお金にまつわる知識全般のことも含みます。
金融リテラシーの向上によって長期的な資産形成に有利に働くと考えられており、金融庁や金融機関などでその重要性が注目されているのです。
現に、様々な調査で世代や職種に関わらず、「金融リテラシーが高い人ほど金融資産額が多い」という結果が出ています。
また金融資産額が多い人ほど、資産をいくつも分散させたり、税制優遇制度を活用しているという結果もあります。
金融資産が多いと投資ができるお金も多いため、投資に関する情報を得る機会が豊富であり、金融商品の選択肢も広がることが金融リテラシーの高さに影響していると考えられます。
金融リテラシーは、金融資産や収入の多い方が身につけるべきと思われがちですが、そうではありません。
むしろ、金融資産や収入がそれほど多くない方や、投資にお金を回す余裕がない方こそ、最低限の金融リテラシーを身に付けないといけないのです。
金融庁では「最低限身に付けるべき金融リテラシー」として、以下4つの分野を挙げています。
①家計管理
②生活設計
③金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
④外部の知見の適切な活用
このなかでも特に、①家計管理と②生活設計は収入や金融資産にかかわらず、身に付けておきたい最低限の知識といえます。
①家計管理とは、ご家庭の収入・支出・貯蓄・負債を把握し、そのバランスをとりながら日々の生活をやりくりすることです。
例えば家計が赤字の状態であれば、どこに無駄があるのかを見える化することで取らなければいけない対策が明確になります。適切な家計管理で黒字化できれば、投資にかけるお金を増やせることにも繋がります。
②生活設計は、ライフプランを明確にし、それに必要な資金計画を立てることでライフプランニングとも言います。人生には就職・転職・結婚・出産・育児・住宅購入など様々なライフイベントがあり、そのイベントごとに費用が発生します。
毎月の収入では賄えない金額の費用となることも多いので、生活設計を立てて、「いつまでにどのくらいのお金が必要なのか」を明確にしておくことが大切です。将来に向けてなんとなく貯蓄するより、目標に向けて計画を立てることできちんとお金を準備することができ、無駄な支出を抑えることもできます。
もちろん金融経済や金融商品の知識を身につけることも大切な金融リテラシーですが、
それよりも前に家計の現状を知り、希望するライフプランを明確にすることが重要です。
近年で投資信託などの金融商品や、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度の情報を目にする機会が増えていますが、まず今の家計の状態を把握することで、家計に要な対策・資産運用を行うことができます。
投資にお金をまわす余裕がないという方こそ、最低限の金融リテラシーを身に付けてください!
必ず今まで気づくことができなかった何かが見えます。