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暗号資産を持ちいた資金洗浄防止へ

2022.9.29

9月27日の日本経済新聞の記事で、日本政府が暗号資産(仮想通貨)を用いた
資金洗浄(マネーロンダリング)などを防止するために送金ルールを導入することが発表されました。
犯罪者による資金移動を追跡できるようにするために、
犯罪収益移転防止法を改正して顧客情報を業者間で共有することを義務づけます。
また銀行並みの規制をすることで、マネーロンダリングの監視を強化するとのことです。

さらに、同報道では2022年10月3日に召集が予定されている臨時国会で「犯罪収益移転防止法案」が
提出される予定であるのとのことで、FATF(金融活動作業部会)が提唱する資金洗浄防止などのための国際的な送金ルールである「トラベルルール」の対象に仮想通貨を加えるとされております。

具体的には、暗号資産交換業者に「顧客から預かった暗号資産を別の業者に送る際に、
氏名や住所などの顧客情報をセットで提出すること」を義務付けるため、違反した交換業者には行政指導や是正命令を発動できるようにし、命令に違反した場合は刑事罰の対象となることが報じられています。

この送金ルールは法定通貨などに価値が連動する「ステーブルコイン」にも適応される予定で、
2023年5月の施行を目指して準備が進められているとのことです。

仮想通貨取引で利益を得ると、確定申告を行なった上で利益に応じた税金を支払う必要がありますが、
日本居住者が外国の暗号資産取引所などで行なった取引を日本の税務当局が把握する仕組みがないために、
これまでは「海外取引所利用者の申告漏れ・未申告・脱税」などが問題視されていました。

昨年「消えた170億円」として、某保険会社の社員が170億円を不正送金してビットコインに換えたニュースがとても話題になりましたね。
それ以前に、コインチェックがハッキングされた事件などもあり、
仮想通貨は構造的にハッカーや犯罪者に好まれやすいとされています。

少し前からマネーロンダリング防止規制として、
本人確認や特定のためにKYC(金融機関が銀行口座の保有者が個人であるか法人であるかを確認するために定められた一連のルール)を要求し、導入が増えていたものの完全ではなかったと思われます。

今後の犯罪などを減らすためにも、この送金ルールの導入が不可欠となるでしょう。

 

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