日本人はリスクを取らなさすぎている
2022.8.12
今年の4月から高校生に対して、金融教育がスタートしました。
しかし、今の高校生以上の方は、教育現場で学ぶ機会がなかったため、
投資や資産運用に対して「自分には必要ない」という考えを持つ方がまだまだ多いです。
大半の方は社会人になって、お金にまつわることを少しずつ学ぶこととなりますが、
保険会社や証券会社、銀行などでは全体的な部分から、
きちんとしたアドバイスや解説をしてくれることは少ないため、
本当に自分に必要なものを選択することが難しいです。
金融知識を身につける方法は、YouTubeやマネーセミナーなどいろいろありますが、
時間を使ってまで学ぼうとされている方は、まだまだ少ないです。
義務教育などで学んでいないので、日本では今でもお金に関する話題は
タブー視される傾向が強いという国民性が無くならないのでしょう。
学校教育では複利の計算ぐらいはやったことがあっても、
株式投資や資産を分散して運用することは、
大学の経済学部の学生でさえ、きちんとしたカリキュラムで学んだ人は少ないです。
日本人の金融リテラシーが低いことで、様々な影響を及ぼしています。
実際に、日本人の「個人金融資産」は2021年末時点で、2005兆円に達しました。
しかし、その中身はというと6割近くが「現金・預金」で占められており、
海外では「日本人はリスクを取らない」と知られています。
「家計の金融資産構成」を国際比較した場合、次のような結果でした。
構成比率で代表的なものをお伝えします。
<日本>
○現金・預金:54.3%
○保険・年金・定額保証:27.4%
○株式等:10.0%
○投資信託:4.3%
<アメリカ>
○現金・預金:13.3%
○保険・年金・定額保証:29.0%
○株式等:37.8%
○投資信託:13.2%
<ユーロエリア>
○現金・預金:34.3%
○保険・年金・定額保証:33.8%
○株式等:18.2%
○投資信託:9.6%
20年前と比較すれば、分散投資がやや進んだとはいえ、
日本の個人資産の多くは現金や預金で保有されていることがわかるでしょう。
それに対して、アメリカは1割ちょっと、ユーロエリアでは3割程度です。
日本人がいまだに銀行の預金に対して高い信頼性を置いていることがわかります。
日本人の多くは、預金ではお金が増えないことを理解している方が多いですが、
そのお金をどのように活用して良いかが分からず、結果何もしない状態となっています。
日本では、本当の意味で資産運用のスキルを持っている人は少数派です。
銀行や証券会社の従業員でさえ、資産運用の知識やスキルがあるように見えないことが多い。
それは会社から渡されたマニュアルでしか語れない金融マンが多いからです。
これでは、金融機関から正しい資産運用の知識を学ぶことができません。
だからこそ、日本人の金融リテラシーの向上は難しいです。
では、日本人の金融リテラシーを向上させるためにはどうすれば良いでしょうか。
答えは、資産運用を行う多少のリスクを取ることです。
このリスクを取り、資産運用を始めると自然に投資に対して関心を持つことができます。
例えるとすると、ある車が欲しいと思うと、街でその車が走っていると無意識にも目で追ってしまう。
さらに、勝手に意識するため、欲しい車がこんなに街で多く走っていたことに気づきます。
資産運用を始めると、この欲しい車と同じ状況になります。
始めることで、これまで意識していなかったことでも吸収する状況となり、
それだけでなく、自分で情報を調べる習慣が身に付き、金融リテラシーが向上します。
また、資産運用を行なっていると、会社の人や友人との話の種ともなるので、
自然と新たな情報も収集しやすい状況となります。
資産運用を行うと、いつのお間にか金融について詳しくなっていきます。
ですから、リスクを取ることが重要となります。
無理してまで行うことはおすすめしませんが、
資産運用を行う際は、資産の余剰範囲内と決めましょう。
必要なリスクは取り、
一人一人の金融リテラシーを向上させていきましょう!