年金生活の場合、確定申告は必要?
2022.11.9
これから会社で定年を迎え、その後は国民年金や厚生年金などの公的年金だけで
生活していこうと考える方は数多くいらっしゃると思います。
これまでは会社の源泉徴収で済んでいたものの、
退職後はどうしたら良いかを悩むこともあるでしょう。
結論から伝えると、
公的年金等に係る「確定申告不要制度」が設けられていますので、
収入が400万円以下で一定の要件を満たす場合、
所得税及び復興特別所得税の確定申告は行う必要がありません。
ですが、国民年金や厚生年金などの公的年金は、雑所得に該当するため、
一定の収入金額を超えた場合は、確定申告が必要となります。
今回は、年金生活においてどのような場合に確定申告が必要となるかをお伝えします。
【年金生活者の確定申告】
国民年金や厚生年金などの公的年金も雑所得になるため、
確定申告が必要になるとお伝えしましたが、
以下の条件の両方に該当する場合には、確定申告が不要となります。
◉公的等の収入額(2ヶ所以上ある場合は2ヶ所の合計額)が年間400万円以下で、源泉徴収の対象であること
◉給与や個人年金や生活保険の満期返戻金などの、公的年金にかかる雑所得以外の所得金額が年間20万円以下であること
また公的年金にかかる雑所得以外の所得の内、主な所得の計算方法は以下になります。
▼給与所得
給与等の収入金額ー給与所得控除
▼雑所得(公的年金等以外)
総収入金額ー必要経費
▼配当所得
収入金額ー株式などの元本取得に要した負債の利子
▼一時所得
(そう収入金額ー収入を得るために直接要した金額ー特別控除額)✖️1/2
上記条件の両方を満たしても、所得税及び復興特別所得税の還付を受けるのであれば、
確定申告を行わなければいけません。
公的年金等の支払いを受けるときには、原則として収入金額から源泉徴収されていますので、
所得税の還付を受けるためには確定申告が必要です。
その他では、
・住宅借入金等特別控除
・医療費控除等による還付を受ける場合
これらの場合には、確定申告が必要です。
また、上記の条件の両方を満たして、所得税及び復興特別所得税の還付の確定申告を行わない場合でも、
住民税の申告が必要な場合がありますので注意が必要です。
【公的年金の控除額と所得金額】
公的年金等の収入額が年間400万円を超えた場合は、確定申告をする必要があります。
この場合の所得金額は・・・
《年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いた額》です。
公的年金等に係る雑所得の金額は、
・「公的年金等に係る雑所得の速算表」の年齢の区分
・「公的年金等の収入金額の合計額」に対応した「公的年金等に係る雑所得の金額」の計算式
これらを使って計算します。
公的年金等に係る雑所得の速算表は、
「国税庁ホームページNo.1600 公的年金等の課税関係」を参照ください。
公的年金の収入だけで生活している人であっても、
一定の収入額があれば確定申告をする必要があります。
また、所得税の還付を受けるためには確定申告が必要なので、注意が必要です。