年末調整に必要なのは所得の「見込額」
2022.12.27
配偶者の扶養内で収入を得るために、給与収入は年間103万円に抑える必要があります。
パートやアルバイトをする際、扶養控除の額を超えないように調整している方もいるでしょう。
しかし、12月分の給与が翌年1月に支払われるという職場は多いです。
これでは、年末調整に間に合わせることはできません・・・。
そこで、今回は給与の支払日が翌月の場合となる対処法についてお伝えします。
扶養控除が受けられるかどうかは「給与所得者の扶養控除等の申告書」の記載金額で判断されます。
これは、年末に配偶者の勤務先から提出を求められるもので、
収入の事実があればその額を記載しなくてはいけません。
ですが、この時に必要なのは1年間の所得の「見込額」です。
つまり、12月の給与を翌年1月に受け取る場合は「支払われる予定の給与を加算した額」が分かれば良いのです。
12月分の給与明細書がまだ手元にない場合でも、支払われる額が把握できているのであれば、
それを加算して記入しておけば問題ありません。
12月分の給与額が全く予想できないという時には、勤務先に確認すると良いでしょう。
配偶者の年末調整で確認が必要である旨を伝えれば、職場も協力してくれるはずです。
もし、勤務先でもまだ計算されていないなどの事情で確認できない場合は、
出勤日数は条件が近い月を参考にしておおよその金額を出す方法もあります。
必要なのは、あくまでも見込み額です。
また、「給与所得者の扶養控除等の申告書」には、1年間の収入ではなく『所得』を記載します。
注意しておくべきは、給与収入と所得は違うということです。
配偶者控除の対象になるのは103万円以下の「給与収入」ですが、
この額を所得の見込み額として記載すると控除の対象とみなされなくなるので注意が必要です。
誤解したまま記載すると所得が多くなり、扶養控除が受けられなくなります。
所得とは、給与支給額から「給与所得控除額」を差し引いた額のことです。
パートなどで給与収入が103万円以下の人の給与所得控除額は最低55万円なので、
「103万円-55万円=48万円」が所得となります。
つまり、「給与所得者の扶養控除等の申告書」に記載する所得見込み額は48万円です。
もちろん、48万円で記載するには、1月分も含めた1年間の給与収入が103万円以下でないといけません。
実際には103万円を超えた収入であるのに、控除を受けたいために48万円と記載することのないように注意しましょう。
可能な方法で1月分の給与を計算して年間の収入を確認し、
そのうえで103万円以下であることが所得の見込み額が48万になる条件です。
長々とお伝えしましたが・・・
結論、年末調整には所得の『見込額』を記載すれば問題ありません。
給与支払いが1月であっても、1年間の収入を計算しておけば大丈夫です。
103万円以下であることを確認したうえで、
「給与所得者の扶養控除等の申告書」に所得の見込み額として48万円と記載しておきましょう。
ただし、103万円を超えてしまうために誤魔化すのは違法になるので注意です。
分からないことがあれば、管轄の税務署に確認することも大切です。