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世界の運用会社の運用資産

2022.10.27

2022年4月末地点では、日本最大のトヨタ自動車の時価総額が35兆円である一方、
世界最大のアップルの時価総額は2.2兆ドル(約290兆円)と、トヨタの8倍でした。

当たり前のことですが、それらを保有する日米の運用会社の資産規模も桁違いです。
日本の大手運用会社の資産規模で100兆円を超えているところは数社しかないですが、
世界最大のブラックロックの運用資産は約1300兆円です。

世界的に運用のパッシブ化が進む中、アクティブ運用中心の米国のキャピタルグループの運用資産は200兆円、英国のベイリーギフォードの運用資産は50兆円を超えます。

日本は、アベノミクスの初期こそ欧米運用会社による日本株投資が盛んでしたが、2015年半ば以降、
アベノミクスに失望したという声が増え、その後の菅政権や岸田政権でも日本株投資は盛り上がらず、
直接的な日本株運用を止める欧米運用会社も増えました。

日本株には大型グロース株が少ないので、欧米のグローバルなグロースファンドの日本株離れが激しくなるのと同時に、長期にわたるバリュー株のパフォーマンス低迷により、日本株に投資するバリューファンドの解散や縮小も相次ぎました。

 

 

上場している運用会社であれば、世界最大のブラックロックのように四半期ごとに運用資産や業績を開示しており、インベスコのように月次で運用資産を開示している運用会社もありますが、上場していない運用会社であると、経営情報の公的な開示が義務でないので、正確な運用資産額がわからない運用会社もあります。

事業会社であれば、IR活動を行なう際に運用資産額が大きい運用会社にアピールしたいと考え、
個人投資家は、運用資産額が大きい外国運用会社の売買手口を見たいと思います。

運用会社の運用資産額を確認する上では、コンサルティング会社のウイリス・タワーズワトソンと年金情報誌の『ペンションズ&インベストメンツ』が年に一度発表する〝The world’s largest 500 asset managers〟が役立ちます。



出典:「Willis Towers Watson “The world’s largest 500 asset managers” October 2021」より
※上位100社を抜粋(赤丸は日本企業)

 

 

世界最大の運用会社は米国ブラックロックで、ラリー・フィンクCEOは、来日時に日本の首相にも面談したことがあります。2位はブラックロック同様にパッシブ運用を強みとするバンガード、3位はアクティブ運用に強みを持つフィデリティでした。
なお、フィデリティのような非上場会社の運用資産額は集計方法によって異なるので注意です。

世界の運用会社の運用資産上位10社のうち5位のドイツ/アリアンツ、
10位のフランス/アムンディを除くと8社が米国法人です。投資や運用は、米国が圧倒的ですね。

日本は、27位に三井住友トラスト・ホールディングス、
33位に三菱UFJフィナンシャルグループが入っています。
運用会社の運用資産額はほぼ保有株式の時価総額に比例するため、
日本の運用会社の運用資産額の小ささは、米国に比例した日本株の時価総額伸び率の低さを示してます。

世界の上位500社の運用会社の運用資産合計額は2020年末に前年比15%増の119.5兆ドルに増えました。
円換算ではもはや兆円単位では掲載できず、1.5京円(兆円×1,000)という単位になります。
地域別では北米の投資家が71兆ドルと最大で、欧州は35兆ドルと北米の半分、日本は6兆ドルにとどまりました。日本という地域別の分類はいまだありますが、その存在は風前のともしびといえます。

運用会社はランキング上位になることで、知名度が増し、運用資産額の増加につながります。
資産額が劣る日本では運用資産額が伸び続けることは難しいです。

投資をされている方は、国内外の運用会社についてご存知だと思います。
これから投資の幅を広げられる方は、運用会社や規模についても知っておくことをおすすめします。

 

 

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