不況が続く日本で富裕層が増える理由
2023.3.20
日本の富裕層や超富裕層と呼ばれる世帯が2005年以降、増えていることはご存知でしょうか。
※野村総合研究所では純金融資産保有額が1億円以上を富裕層、5億円以上を超富裕層としています
数年前には「億り人」という言葉が流行ったようにお金持ちを夢見る人は多いでしょう。
今回は、不況が続く日本で富裕層が増える理由についてお伝えしてまいります。
最初に、富裕層の現状についてみていきましょう。
2023年3月1日に公表された野村総合研究所のニュースリリースでは、
資産1億円超の世帯は148.5万世帯となっています。
出典:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」
内訳をみると、資産1億円以上〜5億円未満が約2.6%(139万5000世帯)。
5億円以上が約0.2%(9万世帯)であり、割合で考えると狭き門という印象を受けるでしょう。
ですが、「億超え資産」を持つ世帯は増加を続け、
2005年と比べて62万世帯が富裕層の仲間入りしています。
なお、ここでの保有資産は預貯金・株式・債券・投資信託・一時払い生命保険や年金保険など金融資産の合計額から、住宅ローン等の負債を差し引いた「純金融資産保有額」を指しています。
次に、富裕層が保有する資産総額の動きをみてみます。
直近の統計では、2019年(333兆円)から2021年(364兆円)の間に31兆円。
2005年と比較した場合、151兆円も富裕層の資産は増えています。
出典:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は総額は364兆円と推計」
ご覧いただいた通り、2005年と2021年の純金融資産を比較すると、
大幅に増加していることが確認できるでしょう。
これは過去10年近くの間、株式などの資産価格が上昇し元々の富裕層の資産が増えただけでなく、
準富裕層が富裕層へ、富裕層が超富裕層へ繰り上がったことが要因だと考えられます。
例えば、保有している資産を年4%の利率で運用できたと仮定した場合、
原資が200万円の場合1年で増えるお金は8万円です。
一方、同じ期間でも原始が2000万円であれば80万円、1億円なら400万円もお金が増えることになります。
そのため同じ金利で運用期間でも、高額資金を一気に運用できる富裕層の方が有利であり、お金持ちほどさらにお金持ちになりやすいのです。
富裕層になる方は特に少額のお金ではなく、かたまりのお金を運用しています。
とはいえ、最初は少額からでも年数をかけて金融資産を運用し、賢くお金を増やすことはできます。
富裕層が増える理由として考えられることは、最初は少額だとしても、
「ある程度まとまったお金を作ることができるとそのお金を運用して資産を増やす」を繰り返すことでしょう。
いつまでも不況に怯え、資産を守るだけでは資産は増えることはありません。
もちろんリスクを想定した上ですが、
価値がある運用を取り入れることで富裕層に近づくことができるでしょう。