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【最新の家計金融資産】から見る国際比較

2022.10.25

日本の個人が持つ預金や株式などの金融資産は、どれくらいの規模かご存知でしょうか?
日本銀行の資金循環統計によると、個人を示す家計部門の金融資産は2022年6月時点で2007兆円です。
単純計算で一人当たり、1600万円以上となります。
日本の個人の金融資産は、先進国で米国に次ぐ規模ですが、その差はどんどん開いています。

 

今回は、最新の家計金融資産の構成から他国との差をお伝えしてまいります。

 

【家計金融資産の推移】


出典:内閣官房「資産所得倍増に関する基礎資料集」(令和4年10月)より

このデータは、2000年から2021年末までのデータとなります。
米国と英国は家計金融資産が、3.4倍・2.3倍と伸びていることがわかります。
しかし、日本では1.4倍の増加にとどまっています。
日本では多少増えているとはいえ、他国と比較すると伸びていません。

少し前の記事で、1995年から2015年の家計金融資産のデータをお伝えしましたが、
日本はその頃も1.47倍の増加率だったため、5年経ってもほとんど変わっていないです。

 

【家計金融資産の構成の国際比較】


出典:内閣官房「資産所得倍増に関する基礎資料集」(令和4年10月)より

このデータは、家計金融資産の構成データです。
ここから日本の家計金融資産がこれほど伸びていない理由がわかると思います。

他国との1番の違いは、「現金・預金」の割合です。
日本では、貯金することが安心安全という考えを持つ人が多いため、
家計金融資産の半数以上が「現金・預金」となっているのでしょう。

銀行に預金をしてつく利息は、あってないようなものですよね?

それにも関わらず、これだけ多くの資産を「現金・預金」で持っています。

一方、家計金融資産を1番伸ばしている米国では、「現金・預金」は13%以下です。
「現金・預金」と「その他」を合わせても約15%ですので、
この2つを除いた約85%のお金を働かせています。

英国でも、「現金・預金」の割合は27.2%しかありません。
約4分の3の資産を働かせている状態です。

米国・英国の保険や年金は、日本のものとは大きく異なり、運用目的で利用するケースが多いです。

どこにお金を置いているかの違いで、これほど大きな差を生んでいることが理解できると思います。

 

【日本の家計金融資産の世代別保有】


出典:内閣官房「資産所得倍増に関する基礎資料集」(令和4年10月)より

このデータを見ると、もっと怖いことがわかります。
日本の家計金融資産は、60代以上の保有比率が6割を超えています。
また、65歳以上の現預金保有率は3割を占めています。

65歳以上で資産運用を行なっている方は非常に少ないですが、
その方々の資産が家計金融資産の6割であるということです。
ということは、日本の家計金融資産を他国のように増やすにはまだまだ時間がかかるということです。

日本が伸び悩んでいる間も、他国との差はこれからも開いていく一方です。
一人一人の将来のためにも、この事実を知る必要があります。

 

 

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