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株と債券の違いは?

2023.1.23

世の中にはたくさんの金融商品があります。
個人投資家が投資できる金融商品には、「株」「債券」「投資信託」「不動産投資」「FX」など、
さまざまな種類がありますが、その中でも特にメジャーな投資対象が「株」と「債券」です。
投資信託の中身にも、株や債券が含まれています。

株と債券の共通点としては、企業などが資金調達のために発行することができます。
しかし、金融商品としての両者の性質は大きく異なり、投資家へのメリットも異なります。

今回は、この株と債券の違いについてお伝えしてまいります。

 

▼「株」について
株式とは、株式会社が出資者に対して出資額に応じて発行する証券のことです。
株には価格があり、絶えず変動しております。
証券取引所に株を上場している企業を「上場企業」といいます。
上場企業の株は、証券会社を通していつでも購入や売却ができます。
ちなみに日本全国の株式会社のうち、上場企業の割合はわずか0.2%程度にすぎません。
実は、ほとんどの会社の株を一般の個人投資家は直接買うことができないのです。

株は、購入した時より株価が上がっていれば、売却することで利益を得ることができます。
ですが、買うときも売るときも所定の売買手数料を証券会社に支払う必要があるので、注意です。
株は値上がり益だけでなく、配当金や株主優待による利益も期待できます。
ただし、配当金と株主優待は、企業の方針や経営状態によっても左右されます。
経営状態が悪いと、配当金が減ったり無配当となるケースもあります。
最近は、株主優待の廃止や縮小する企業も増えているのです。

株式投資のリスクについてもお伝えします。
株は預金と違って、投資元本が保証されていません。
株価は企業の経営状況だけでなく、日本経済や世界経済の動向によって変動します。
株価は上昇と下落の値幅が大きいことが特徴です。
ですから、もしも株を発行した企業が破綻したら株価は暴落し、大きな損失が発生してしまいます。
投資家にとって、株はハイリスク・ハイリターンな投資対象といえるでしょう。

 

▼「債券」について
債券も株式と同じく、企業などの団体(発行体)が資金調達を行う手段ですが、
株式は「出資者を募る」という意味合いがあることに対し、
債券は「貸付者を募る」という意味合いが強い点が異なります。
企業などの発行体にとって、債券はどちらかというと銀行からお金を借りるのに近い資金調達手段といえます。
株式の発行体は企業のみですが、債券は企業だけでなく、国や自治体なども発行体です。
国が発行体になる債券は「国債」、自治体は「地方債」、企業は「社債」と呼ばれます。

発行体にとって、債券は銀行の借り入れと同じ「返さないといけない借金」です。
そのため、投資家は債券を満期まで保有していれば、原則として元本を受け取ることができます。
そして、発行体は債券を買ってくれた投資家に利息を支払います。
この利息が、債券を保有する投資家が得られる利益となります。

債券には「新発債」と「既発債」があります。

新発債は株式のIPOと同じように、企業などがこれから発行する債券のことです。
新発債の価格と利率はあらかじめ決まっています。
投資家は証券会社に購入を申し込み、希望者が多数の場合は購入者が抽選で決まるのもIPOと同じです。

既発債は、すでに発行された債券のことです。
株式を証券会社で売買できるのと同じように、証券会社で購入できる場合があります。
また、保有している債券は償還を待たずに売却できます。
そして、債券も株式と同じく価格が変動します。
債券の売買は時価で行うことになるため、新発債を申し込んだ価格、
あるいは既発債を購入した価格より現在の価格が高くなっていれば、売却益を得ることができます。

債券価格が変動する要因としては、株式と同じく発行体の経営状態や世の中の経済動向が挙げられますが、
世の中の金利の影響を受けることが大きな特徴です。
世の中の金利が上昇すれば、すでに発行された債券の価格は下がりやすくなり、
逆に金利が下がると債券価格は上がりやすくなります。
ただし、一般的に債券価格は株価と比べると値動きが穏やかです。
ローリスク・ローリターンの投資を望む方は、株式より債券の方が適していると考えます。

重要な注意点としては、株式と同じように債券も発行体が経営破綻するリスクがある点です。
発行体が債務不履行になると、債券を保有する投資家は利息が受け取れないだけでなく、
元本が償還されず、大きな損失が出てしまう可能性もあります。
破綻リスクに備えて、信用度の低い発行体が発行する債券は利率が高めに設定されていることが多いです。
発行体の信用リスクを示すのが「信用格付け」で、AAAが信用リスクの最も低い最高の格付けであり、
Dが最低の格付けというように、A〜Dのアルファベットで示されるのが一般的です。
格付けAAAの債券は経営破綻の可能性は極めて低いものの、期待できる利益は少ない傾向です。
一方、格付けBの債券はうまくいけば大きな利益を得られますが、
債務不履行の可能性が小さくないので、注意が必要です。
債券を購入する際は、信用リスクと利率のバランスを確認することが必須です。

 

株と債券は、似ているようで大きく異なります。
大切なことは、メリット・デメリットをしっかり確認した上で、選択することです。
自分の投資に適していて、リスクの許容範囲内から判断すると大きな失敗とはならないでしょう。
利率だけで投資を決断しないことが、とても重要です。

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