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転職・退職後に選択する健康保険

2022.7.6

転職・退職後は、健康保険の手続きが必要となります。

会社を退職して転職活動を行う方にとって、雇用保険の給付が大きな関心事となります。
でも、他にも大切なものがあります。
それは、健康保険や年金の社会保険です。
これらの手続きを忘れてしまうと、病気になったときに困ったり、老後の生活に深く関わってきます。

健康保険は、医療費の自己負担が原則3割になったり、
1ヶ月に上限を超えた医療費を負担した場合には「高額医療費」が支給されるなど、
病気になった時の負担を軽減してくれるものです。

在職中は、会社経由で強制的に加入していた健康保険ですが、
退職すると次の日にはその健康保険の被保険者ではなくなります。
いざという時のために1日のブランクもないように健康保険の加入手続きを行いましょう。

退職後の健康保険の加入については、3つの選択肢があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットについてお伝えしてまいります。

 

①【国民健康保険】

国民健康保険は、地域保険として自営業者や退職者などが加入している健康保険です。
都道府県と市町村が運営しているため、保険料の決まり方はそれぞれ違います。

国民健康保険の額は、前年度の所得をもとに計算されます。
そのため、退職後に国民健康保険料をいくら支払わなければならないかは、
前年度の所得を証明する源泉徴収票に記載された金額を使用して概算することができます。
この概算金額は、居住地の市区町村の健康保険課などで確認できるほか、
市区町村のサイトで自動計算できることもあります。

《メリット》
・保険料の減免申請ができる場合がある
・市区町村の健康保険かが問い合わせの窓口となるため、近くて安心

《デメリット》
・出産一時金は支給されるが、出産手当金は支給されない
・扶養がないため、専業主婦や子供でも保険料が発生

 

②【任意継続被保険者】

在職時に加入していた保険にそのまま加入するのが「任意継続被保険者制度」です。
在職中の健康保険に引き続き、2年間加入することができます。
ただし、退職した前日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上ないと任意継続被保険者になれません。

在職中の保険料は労使折半で、会社が保険料の半分を負担していましたが、
退職後にこの任意継続保険者となれば、全額自己負担となります。
保険料は、在職時の標準報酬月収から決められ、計算方法は各健康保険で個別に決められます。

例えば、全国健康保険協会の保険料は、
退職時の標準報酬月額×9.51%〜 11.0%(都道府県によって異なる)。
また40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者は、これに全国一律の介護保険両立1.64%が加わります。

ただし、退職者の計算される標準報酬月額が、前年の全被保険者の標準報酬月額平均額より高い場合は、
この平均額が計算に適用されることになります。
つまり、任意継続被保険者の保険料に上限がもうけられているということです。

例えば、全国健康保険協会の平均標準報酬月額は30万円(令和4年)。
この時の保険料は、介護保険料をあわせても、3万5000円前後の金額となります。
この平均額は健康保険によっても異なるため、退職前に問い合わせておくことが良いです。

任意継続として加入するには、退職後20日以内に
健康保険組合や全国健康保険協会の窓口で手続きを行う必要があります。
また、保険料の納付が1日でも遅れたら、直ちに資格喪失されますので注意が必要です。

《メリット》
・在職時と同じ給付を受けることができる(出産手当金や傷病手当金を除く)
・保険料の減免制度はない
・ご家族の扶養は継続ができる

《デメリット》
・会社との折半がなくなるため、退職時の2倍の保険料がかかる
・原則2年間は保険料が変わらない
・問い合わせ窓口が遠方にある場合、書類到着まで時間がかかる

 

③【家族の健康保険の被扶養者へ】

最後に、家族の扶養者になる場合です。
これは生計が同じである親や配偶者などが加入している健康保険の扶養者になることです。
保険料の負担が増えるわけではありませんので、
被扶養者になれるのであれば、この選択をすると良いです。

ただし、被扶養者になるには、被扶養者になる方の所得制限があります。
収入見込み額が年収130万円未満、且つ、
被保険者(健康保険加入者)の年間年収の2分の1未満でなくてはいけません。
雇用保険の失業給付していると被扶養者となれない可能性が高くなります。
被扶養者となれない場合は、自分自身で健康保険に加入する必要があります。

 

選択肢はいくつかありますが、収入状況や家族の扶養者の状況、
各手当などを考慮した上で、正しい選択をしなければいけません。

場合によっては、年間数十万円も多く支払うことも出てくるため、
国民健康保険と任意継続被保険者の両方を計算して比較しましょう。

良い選択をすることは、未来の自分を助けることにつながります!

 

 

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