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2022年度税収は過去最高税収

2023.6.23

この数年、税収の増加が続いています。

 

財務省が4月に発表した「租税及び印紙収入、収入順調」によると、2022年度分の一般会計税収額の累計値(2023年2月まで)は51.2兆円と、過去最高税収となった21年度(同時期の累計値46.8兆円)を大きく上回っています。
2021年度の税収は、2021年度に20年度から+6.2兆円の大幅な増加を記録、水準は過去最高となりました。22年度もそこから大幅な増加となる公算が大きくなっています。

税目別に見ると「消費税」「法人税」「所得税」のいずれも増加しています。
特に、これまでと異なる形で顕著に増加しているものが消費税です。
所得税や法人税に比べて景気の上下による振り幅が少ない消費税は、税率引き上げ等がなければ概ね横ばい程度で推移するのが常でした。

 

しかし、22年度累計額は15.9兆円(前年同期14.8兆円)と1兆円強と増加しています。
これは、物価上昇が大きく影響しています。課税ベースに相当する名目消費額が押し上げられ、消費税の増加につながっていると考えられます。
そりゃそうですよね。物価が上がることによってそこに付随する消費税も増加することは当然です。

およそ40年ぶりの物価急上昇は、税収にもこれまでにない変化をもたらしています。

 

法人税は8.9兆円と、前年同期の7.2兆円から明確な増加傾向にあります。
この間のコロナ正常化に伴う経済の回復が寄与しているほか、グローバル展開する製造業をはじめ、法人税納税主体である大企業に円安の恩恵が及びやすい点も影響していると考えられます。

所得税も18.1兆円となり、前年同期の16.8兆円から増加。名目賃金の上昇や雇用回復等が支えになっているとみられています。

 

直近の税収額は、年率換算で70兆円台前半ペースであり、推移を見ても足元まで増加傾向は衰えていません。年率換算した季節調整値の4月〜翌2月平均値はおよそ72兆円。22年度通年の着地もこの程度になると見込まれます。

22年度の税収は当初予算時点では65.2兆円のところ、11月の補正予算編成時点で68.4兆円にすでに上方
修正がなされていますが、ここからさらに大きく上振れする可能性が高いとみられています。

決算税収は7月に示され、それを踏まえて政府の財政試算(中長期の経済財政に関する試算)が改定されます。直近政府試算の成長実現ケース(政府メインシナリオ)では25年度に1.5兆円のプライマリーバランス赤字、26年度の黒字化を見込んでます。税収の上振れは本資産の上方改定要因になります。

足元で議論されている「子育て予算」やその財源の織り込み方などに左右される面も大きいが、素直に上振れを織り込めば、次回の試算で政府目標としている25年度黒字化の見込みが示される可能性があります。

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