退職後の生活に向き合うことの大切さ
2022.8.9
年々、少しずつ資産に対して考える方が多くなってきております。
20代、30代の方は、まだ少し先のこととしてしか捉えることが難しいと思いますが、
退職まで20年を切ると、退職がとても身近に感じるようになります。
退職後の生活は、現役で働かれていた頃より生活水準が良くなることは難しいです。
退職後の生活が、目前に迫るまでにできることは多々あります。
そこで、今回は退職後の生活に向き合うことの大切さをお伝えします。
【生活費削減と資産収入増は、現役時代から対策が必要】
退職後の生活を考えるときには、
「退職後の生活=勤労収入+年金収入+資産収入」で表す等式を用います。
現役時代が勤労収入で生活費と将来のための貯蓄・資産形成を賄っているのとは異なり、
退職後は生活費を複数の収入の組み合わせで賄う時代に入ることを示しています。
ただ、勤労収入には年齢的な限界があり、年金収入は現役時代の年収に規定されるため、
できることとしては、生活費を削減するか、資産収入を増やすという点に収斂します。
そのために現役時代ではできるだけ資産形成を進めて、退職後の資産収入の増加が必要になっても
それに耐えられる規模の資産を作り上げておかないといけません。
さらに生活費削減額の規模感が見込める生活費のダウンサイジング(小型化)や
地方都市移住といった手段も時には必要になることも念頭に置くことが求められます。
よく、資産寿命の延命策として食費を切り詰める方がいらっしゃいます。
確かに、生活費の削減には大切なことだと思います。
ですが、食費を切り詰める行動は、ひと月で行うことができても数万円にしかなりません。
退職によって現役時代の苦労からようやく解放されたのにも関わらず、
さらに、我慢をしなければいけないのは大変です。
時には、我慢がストレスとなったり、健康のバランスを崩してしまうこともあります。
これらを避けるためにも、現役時代からの対策が必要となります。
【現役時代から資産形成を行う大切さ】
当然のことですが、保有している資産が大きくなるほと生活全般の満足度は高いです。
特に、資産運用している人ほど生活全般の満足度は高くなります。
退職後の生活全般の満足度は、「健康であること」や「やりがいがあること」、
「人間関係が良好」などと多くの要素に支えられていますが、
その中でも資産水準の影響が最も大きいとされています。
「お金がなくても幸せに暮らせるものの、お金があることでさらに満足度が高まる」ということです。
健康、やりがい、人間関係は60代になってからでも改善することはできますが、
資産水準は退職してから向上させることは簡単ではありません。
だからこそ、現役時代から、少しでも早く資産形成を始めた方が良いのです。
「資産形成は退職後の生活のため」だけで考えるのではなく、
退職後の生活の「満足度を高めるため」という考え方を持つことも大切だと思います。
退職後は、自分のやりたいことや家族と過ごす大切な時間です。
この大切な時間に満足度が加わることで、より幸せになれるのではないでしょうか。