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時間を味方につけること

2022.9.23

私は、いろいろな方と話をする中で、
「20代はあっという間に過ぎ、30代はさらに早く過ぎる」と聞きました。
確かに、自分も20代はあっという間だったと思います。

「あの時は楽しかった」「あの頃に戻りたい」などといくら願っても、
過ぎた時間が戻ってくることはありません。

 

そこで今回は、時間を味方につけることについてお伝えしていきます。

 

【時間の流れは一定なのか】

時間があっという間に過ぎ去ってしまうという意味で、
日本では古くから「光陰矢の如し」と表現されてきました。
他の国でも同旨の表現は多く、中国では「光似箭」と表すみたいです。

英語では“Time and tide wait for no man.”などの慣用句を習った記憶があります。
つまり、時が早く過ぎてしまうことを、世界中の人々が実感していることは間違いありません。

こうした感覚的な表現に対して、時の流れる速さは一定であると、物理学者は反論します。
かつて1日の長さは地球の自転周期を基に定められていました。
しかし、そもそも自転周期自体が24時間ちょうど出ないこともあり、
現在はセシウム原子時計で観測される周波数を基に定義された「秒」が時間を計測する基準です。

また、年についても、当初は地球の公転周期に基づいて定められたものですが、
遅くともユリウス暦の採用される以前の紀元前には1年=365日ちょうどでないことが認識されてます。
地球の公転周期自体、必ずしも一定でないのです。

 

【体感時間と実際の時間】

客観的なはずの時間そのものが、このように「揺らぎ」を持っているだけではない。
個々人の感じる主観的な時間の長さも、大きく変化することが知られています。
好きなアニメの30分の時間は面白くあっという間に終わってしまいますが、
興味のないアニメの30分は苦しい時間となります。
職場での勤務時間も集中して取り組むとすぐに終業時刻になるのに、
面白くない業務だとなかなか終業時刻にならないと感じることがあります。
このように、客観的に計測される時間と主観的に感じる時間とは、
長さの異なるものと感じられる可能性が高い。

さらに、主観的な時間の価値は人の年齢によっても影響されると考えられます。
つまり、10歳の小学生にとっての1年は、これまでの人生に対して1/10=10%にも相当する。
そのため、子供は1年が長いと感じます。
一方、50歳の中高齢層にとっての1年は、1/50=2%にしか相当しません。
結果として、歳をとってしまうと流れる時間の価値が相対的に小さくなってしまい、
時の流れを早いと感じてしまうのでしょう。

 

【時間を味方につける】

年齢を重ねるにつれて時間の流れが速く感じるのであれば、
将来に向けた備えは早めに取り組むに越したことはない。
しかも、次第に残された時間は短くなっています。

定年延長といった雇用慣行の見直しが進みつつあるものの、
継続雇用においてすら従来の給与水準を維持されることは多くないですし、
新しい職場では賃金水準が低下する可能性が高い。
個人差はあるものの、以前と同じように働くことは、体力的にも精神的にも容易ではないでしょう。

「自助・共助・公助」という表現は、個々人の努力を求めるものとして反発を受けているが、
高齢化が進行し人口が減少しつつある日本において、公助に限界があることは自明のことです。
自助や共助を活用しない限り、将来の老後生活は厳しいものとなることが必至となります。

そのために、時間を味方につけることこそが重要となるのです。
長期に及ぶ日銀の低金利政策を受けて、投資による利回り獲得よりも、
暗号資産やCFD(差金決済)取引などの投機的な手段による一攫千金が注目されてきました。
しかし、物価や海外の金利上昇によって、
日本国内の金利水準も超長期年限を中心に上昇の兆しが見られ始めています。

金利が0%ならば複利効果を得ることはできないですが、
プラスの利回りならば、複利効果によって資産の増殖を実現できます。
以前お伝えした「72の法則」を活用し、
7%で10年間運用することができると、元利金がほぼ倍となります。
ここまで高利回りは実現できなくても、金利水準の上昇によって資産運用による資産の拡大が期待できる。

時の過ぎゆくままにせず、時間を味方につけ利用することで、将来に備えてはどうでしょうか。
限られた時間は決して裏切りません。

 

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