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円安とその後の可能性

2022.7.21

現在、歴史的な円安が起きている理由は様々ですが、
主な要因の一つに日米の金利差が挙げられます。

米国はコロナ禍において 大胆な金融緩和策を実施しました。

これが功を奏してかコロナ禍をなんとか乗り切り、
経済の停滞は限定的なもので済みましたが、
次に米国を襲ったのが 急激なインフレ(物価上昇)です。

市場にお金が出回ることによる経済の過熱と、
未だ残るコロナの影響による物流の停滞など、
様々な要因が絡み合い急激な物価の上昇が引き起こされました。

賃金上昇や企業利益の向上を伴う緩やかなインフレは経済成長に欠かせないですが、
今のインフレはとても急激です。

激しい物価上昇は景気後退を招くことになるため、
FRB(米国の中央銀行)も行き過ぎたインフレを抑える施策をせざるを得ません。

その施策こそ「利上げ」です。

利上げを行うことで、お金を借りることに抵抗が生まれ、
過熱した経済に落ち着きを取り戻す効果が期待できます。

米国ではFOMC(米国の金融政策決定会合)のたびに利上げを行い、インフレの沈静化を行っています。

一方で、日本では金利を一定値以上には上げない「指値オペ」という施策が行われています。

ですから、米国と異なり日本は長らく低成長が続いております。

米国同様に金利を引き上げるとプラスの効果より、
マイナスの効果の方が大きいと判断されているため、
金利が0.25%を超えることが無いように日銀が国債を買い入れ ています。

つまり日本は金利が上がらず、米国は金利が上がり続けており、
今後もそれが継続すると言われております。

一般的に投資のお金は金利の低い通貨から、
金利の高い通貨へ流れると言われています。

より利息が付く方に投資したいと考えることは当たり前のことです。

金利の低い円を売り、金利の高いドルを買う流れが強くなっているため、
売られれる円の価値はどんどん低くなり(円安)、
買われるドルの価値が上がっている(ドル高)のが今の状況 です。

この円安ドル高は米国の利上げが終わらない限り続くというのが大方の見方ですが、

言い換えると米国の利上げが落ち着きを見せると、円高ドル安に動く可能性があるということです。

 

 

そして、FRBが利上げを急いでいる理由はインフレの沈静化にあります。

インフレが無事落ち着くと利上げを急ぐ必要がなくなるため、そのペースは鈍化することになります。

そうなると今の円安もひと段落し、円高の方向に動くことになる可能性が高いです。

この場合は株価も落ち着き、上昇に転じるかもしれません。

為替による利益は小さくなりますが、株価は上昇するため大きな問題とはならないでしょう。

また、急激な物価上昇は経済活動の停滞を招き、リセッションの原因となってしまいます。

FRBはリセッションを避けるべく利上げをおこなっておりますが、それも虚しく、近々、
もしくは既に米国はリセッション入りしてしまっているという説が濃厚になってきています。

リセッションとなると 、金利を上げ続けることにより
さらに経済活動は停滞、悪化 してしまいます。

これまでと同じ早いペースで利上げを行うことは難しいでしょう。

利上げのペースを落とす、もしくは逆に利下げを行うことによって経済を回復させる必要が出てきます。

そうすると日米の金利差は縮まる。

金利差が縮まれば、一般的に円高に動きます。

リセッションによる経済停滞、景気悪化で株価も下落し、
為替も円高ドル安に動くことによって株価と為替のダブルパンチを被ってしまう可能性も否定できません。

あくまでも現時点では可能性の話ですが、
さらなる米国株の下落と円高の可能性も考えておく必要がある でしょう。

 

 

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