不動産市場で起きている2つの異変
2022.7.9
近年、住宅を選択する際に、
「新築物件or中古物件」「戸建orマンション」「持ち家or賃貸」など
どれを選ぶことがお得か論争が起こっています。
もちろん、選択の際に「家庭状況」「理想の環境」「将来起こりうる状況」等、
色々な状況を想定しないとその家庭に取って最善の選択ができません。
また家庭ごとの状況で最善の選択は大きく異なるため、
どの選択が一概に良いと言い切れなくなっております。
今後、特に新築マンションの購入を考えられている方は、
今回お伝えする「不動産市場で起きている2つの異変」を知っておく必要があります。
【不動産市場で起きている2つの異変とは】
2つの異変とは、「中古需要の高まり」と、「買い替え需要の減少」です。
これまで、日本の不動産市場では、圧倒的に新築が好まれていました。
中古住宅は、築年数が浅くても、大きく値下がりすることが当たり前でした。
しかし、昨今では、中古住宅の人気が高まる一方です。
その背景としては、消費者の「何がなんでも新築」という考え方が変わり、
クオリティーの高い中古住宅に人気が集まりやすくなっているという事情があります。
また、リフォームやリノベーションを扱う建築業者が増えたことや、
2018年4月に宅地建物取引業法が改正され、
不動産インスペクションの説明が義務化されたことも影響しております。
※不動産インスペクション=既存住宅の建物調査
ただ、それら以上に大きな影響を与える要素として、新築マンションの価格が高騰し、
中古住宅に割安感が出ることも見逃せません。
新築マンションの価格の高騰は、「買い替え需要」にも大きな影響を与えています。
これまでの日本の不動産市場では、新築マンションの需要の一定程度は
「買い替え需要」が占めておりました。
高齢に達し、子供も自立した夫婦がメンテナンスに手がかかる一戸建てを売却し、
より利便性が高いマンションに住み替えることが多く存在しました。
しかし、昨今は「買い替え需要」が非常に弱くなっております。
コロナの影響で、買い替えにより大金を動かすことの不安等の問題もあり、
ここにも新築マンション価格高騰の影響が見て取れます。
「買い替え」では、築年数の経過した持ち家を手放し、その売却代金を充填することになりますが、
新築マンション価格が高騰しているため、持ち家を売却しても欲しい物件が買えない、
多くの追加資金が必要というケースが増えているのです。
とりわけシニア層は、その差額のためにローンを組むのも大変です。
そのため、「買い替え需要」が大きく低下しているものも考えられます。
だからこそ、住宅を選択する際には、
「買い替えを含む将来の状況」を想定した上で検討することが必要です。