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「2世代運用」

2022.12.13

昨日、NISAの限度額が大幅に増えることが取り上げられていましたね。
年間の上限として、NISAは240万円・つみたてNISAは120万円で合計360万円も投資できます。
現在、NISAを利用していて、投資額を上げたいと考えている方にとっては良いニュースですね。

 

話は変わりますが・・・

みなさんは、「2世代運用」をご存知でしょうか?
これは今年の夏頃に取り上げられ、トレンドになっておりました。

金融商品は「個人で運用するもの」と思われがちですが、
介護費用の問題に備えて資産寿命(資産が尽きるまでの期間)をできるだけ長くしたり、
資産をスムーズに次世代へ相続する方法として「2世代運用」という考え方が広がっています。

 

今回は、この「2世代運用」についてお伝えします。

 

【2世代運用について】
簡単に言えば、2世代運用は親子で協力して資産運用するということです。
特に、親子で”親の資産”を運用することを指す場合が多い。
親の資産は、最終的に次世代へ相続されることや、
高齢のために自身の資産を管理することが難しくなることが、背景となっているでしょう。

2世代運用は、親と子の双方にメリットがあります。
例えば、老後資産の運用は、資産を減らさないために債券や預貯金などのリスクを抑えた運用が基本となりますが、親の資産を子供と共有して積極的な運用を継続していくことで、親としては老後資金が充実するというメリットがあります。
一方で、子供にとっては親の資産を活用して資産形成ができることがメリットです。
また、最終的にその資産を相続することも想定されます。

 

【2世代運用の方法】
2世代運用には、主に2つの方法が考えられます。

①『将来的に相続することを前提として、親が主体的に資産運用をする方法』
これは最低限の生活資金は預貯金などの安定的資産で保有し、残りを親子で協力しながら運用する形です。
将来的な相続を前提としているため、長期的な視点で運用できることがメリットです。
長期運用をすることでリスクを抑えることができ、株式などのリスク資産も保有しやすくなります。
ただし、あくまでも親が資産管理をすることが必要となるため、
親が認知症などにかかり判断能力が低下すると管理が困難になる恐れがあります。
対象方法としては、法定後見制度や任意後見制度があるため、きちんと確認しておくことも必要です。

 

②『生前に資産を子供へ贈与し、子供が主体的に運用する方法』
贈与税は、1年間に受ける金額が110万円以下であれば非課税です。
親の介護が必要になったときは、子供が運用資産を取り崩すこともできますし、
もし資金を取り崩すことがなければ親の資金で子供自身の資産形成ができるので、
双方にとっても大きなメリットとなるでしょう。
相続税が課税される方にとっては、相続税の節税ともなり得ます。
ただし、子供が複数人いる場合は兄弟間で不公平感がないように配慮することも必要です。

 

【保有資産の共有は重要】
親にとって資産状況を子供に伝えることは、心理的にもハードルが高いことです。
しかし、たとえ2世代運用をしない場合でも、
元気なうちに親子で保有資産等について話し合っておくことが重要となります。

介護が必要になった親の資産管理を行うときに、そもそも、
「どこの金融機関に口座があるか不明」や「保有する運用商品を売却したいが親の判断能力が低下しているため、資産を動かすことができない」等のケースもあり、相続を待つしかない状況も出てきます。

2世代運用を考えるのなら、子が親の資産状況を把握することに加え、
後見制度の活用についても一度話し合っておくとさらに良いでしょう。
子供は親の資産に関して生活資金や介護資金など最低限の必要資産は引き出すことができますが、
原則として、新たに投資するために引き出すことはできないからです。

最初から全ての保有資産を開示する必要はないと思いますが、
保有している運用商品や運用に回してもよい金額を子供に相談することから始めてみましょう。

 

今回は、2世代運用についてお伝えしました。いかがでしたでしょうか?
私は、2世代運用はすごく良い方法だと考えます。むしろ、3世代運用でも良いです。
2世代運用をすると必ずお金について話し合うので、家庭内のリテラシーが向上します。
それを孫にも伝えることで「教育」となり、孫はお金の大切さについて理解するはずです。

また、誰もが歳を重ねるにつれて自身の資産運用が難しくなります。
子供が代わりに資産管理してくれることで、安心につながるでしょう。

日本では、親子間でも資産について話しにくい家庭もあると思いますが、
未来の対策として、一度話し合うことをおすすめします。

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